毎年オートキャド(AutoCAD)の新しいバージョンが発売されることは、ユーザーにとって意味があることなのか。

というような感じで、前回はバージョンアップについて、私の思うところをいくつか書いてみました。
ちょっと偏っている考え方かも知れないですし、考え方は本人の経験によって少しずつ変わってきます。

以前書いたように、昔の私は「バージョンアップなんて全然必要ない」と思っていましたから。
だからここに書いてあることが全部とは思わずに、ぜひとも自分の目で判断をして貰えればと思ってます。

私が出来るのは、自分が経験してきたことをベースにして、自分の考え方をひとつの例として書くことだけですから。

■最新のバージョンを使うメリット
毎年新しいバージョンが発売されるオートキャド(AutoCAD)ですが、常に最新バージョンを使って仕事をするメリットはあるのか。

今回はこれについて考えてみたいと思います。
結論から先に書いてしまうと、最新バージョンを常に使う効果は確かにある、ということになるのではないか。

少なくとも私はそういう考えを持っています。
だから、私は仕事で使っているオートキャド(AutoCAD)を、常に最新バージョンにしています。

常に最新バージョンのオートキャド(AutoCAD)を使うのは、当然のことですがお金がかかります。
かかるお金を高いと感じるか、あるいは安いと感じるかは人それぞれの感覚によって違います。

ですが、少なくとも私にとっては「支払っても全然なんでもない」という金額ではありません。
でも、毎年その出費をしたとしても、やはり最新のオートキャド(AutoCAD)を使う価値はある。

そう思うからこそ、そしてそれに見合うくらいの恩恵は受けているからこそ、最新バージョンを使い続けているんです。

■最新の機能の大半が使えなくても
以前も書いた通り、新しく用意された機能の中で、実際の仕事で使えそうなのは半分もありません。
そして実際にその機能を使ってみて、「使える」と感じるのは、その中でさらに半分くらい。

まあ感覚的な話ですからあまり正確ではありませんが……
要するに新機能の大半はあまり使えない機能であることが多い、ということが言えると思います。

ただ、これをポジティブに考えてみるとどうなるでしょうか。
新しいバージョンで用意された機能のいくつかは、実際の仕事で使える便利な機能である。

ということが言えると思いませんか?

ものは言いようですけど、考え方を少し変えるだけで、受け止め方も大きく変わってくるという良い例です。
こうした機能の追加を毎年経験していくと、昔の機能のままで使っている人よりも知識が増えます。

そこでいくら「ほとんどが使えない機能だから昔のバージョンで充分」って言っても、知識に差が出てくるのは当然ですよね。

私が新しいバージョンの使用をお勧めするのは、このあたりで発生する差が結構大きなものだからです。
新しいバージョンが用意している機能に先入観も拒否反応もなく、スッと頭と体に入っていく。

それを毎年繰り返していけば、毎年同じバージョンを使っている人よりも、確実にオートキャド(AutoCAD)を使いこなしているはず。

プロとしてどちらが理想なのか?
これを考えたときに、どう考えても多くの機能を知っている方が良い、と、私はそう思ったんです。