「便利な機能編」の記事一覧

ペーパー空間の特徴とは

オートキャド(AutoCAD)にとって、モデル空間というのは作図をする為に用意したスペース。

だから当然の事ですが、用意してあるモデル空間というスペースに図面を書いていくことになる訳です。

ですが、モデル空間だけを使って作図を進めていくと、図面完成の前に限界が見えてしまうんです。

ここで言う限界とは、これ以上作図出来ないとかそういう場所的なものではありません。

そうではなくて、モデル空間が持っている特徴から出てくる「出来ないこと」という意味です。

別にオートキャド(AutoCAD)の機能が貧弱だとか、設定が不足しているとか、そういう話ではなくて。

どんなに優れた機能を持っていても、ユーザーがやりたいことをその機能だけで全部実現するのは難しい、ということです。

だからそれを補う為に、モデル空間とは違った特徴を持ったペーパー空間という機能が用意されている訳です。

ちょっと話が長くなっていますが、ここでようやくペーパー空間について具体的な説明をすることができそうです。

拡大図を書く際の問題点

前回はオートキャド(AutoCAD)のモデル空間で図面の分割をする場合の問題点を挙げてみました。

作図対象を少しずつ重ねて表現する必要があって、それをすると図面枠同士も当然重なってくる。

だから印刷をする際には、それらの重なった図面枠が印刷されてしまうことになってしまいます。

特に何も対処をしなければ。

もちろん対処をしない訳にはいきませんから、そうした図面の表現を整える為に、結構な手間がかかってしまうことになります。

これがモデル空間の大きな問題のひとつ。

手間がかかるけれど、やろうと思えば出来るから別に良いのでは?

と、そんな意見が聞こえてきそうですが、出来るだけ手間を減らす方向で色々と考えるのがプロの仕事です。

だからもう少し具体的に問題点を考えて、なおかつその解決方法についても考えてみることにしましょう。

図面を分割する場合の問題

図面の縮尺というのは、図面をどのように使うかという目的によって、ある程度は決まってきます。

だから、縮尺と建物のサイズによっては図面を分割する必要がある。

ということで、前回は具体的に図面を分割しなければならない建物のサイズを考えてみました。

図面枠を考慮すると、A1サイズの用紙全部に建物を表現出来る訳ではない、という部分もポイントです。

さらっと登場した図面枠ですが、これは図面の分割をする際、結構面倒な要素になるんです。

今回はそのあたりをもう少し具体的に書いてみたいと思います。

図面の縮尺と図面枠

図面の縮尺というのは建物の大きさと紙のサイズで決まる訳ではなく、「どんな目的の図面なのか」で決まる。

前回の内容を一言で書いてしまうとこんな感じです。

全体を見るために建物を1枚の用紙に納めて印刷をする、ということが必要になる場合も当然あります。

しかし細かい部分が読み取れない全体図だけでは、全ての情報を詳しく伝えることが出来ませんよね。

なぜ手間をかけて図面を書くのかというと、詳しい情報を見る側にきちんと伝えるという目的があるからです。

そうした目的を持って作図された図面なのに、詳しい情報が読みとれない全体図だけしかない。

そんな状況では図面を見る側も困ってしまいますよね。

モデル空間に作図の問題点

オートキャド(AutoCAD)を使って図面を書く際には、大抵の場合モデル空間に作図をしていきます。

「どうして?」という疑問に対する答えは幾つかあります。

その中で私が一番分かりやすい理由だと思うのは、「それが一番簡単で色々な事が出来るから」という理由かな。

モデル空間に作図をしていくことによって、何らかの大きな問題が起こるのかというと、正直言って少し問題があることもあります。

でも、それはどんなCADを使っている場合でも起こる話であって、問題はそれをどうやって解決していくかです。

そして、そんな問題解決の為に使うのが、ペーパー空間と呼ばれる作図スペースなんです。

少し言い方を変えます。

ペーパー空間を利用せざるを得ない状況があるから、モデル空間に作図をするしか選択肢がない。

こんな表現の方が正解に近いかも知れません。

なぜそんな表現をする状況になるのか、ということで、今回はモデル空間に作図をする際の問題点に触れてみます。

作図をするスペース

オートキャド(AutoCAD)には「モデル空間」と「ペーパー空間」と呼ばれる二種類の作図スペースがあります。

それぞれ違う特徴を持っていて、その特徴を掴んで使い分けることが出来れば、作図はもっと便利になっていくはず。

そんな話を前回からしてきました。

今回説明しているペーパー空間という機能は、私にとっては「便利」というよりもむしろ「必須」といった方が適切かも知れません。

この機能がないと仕事にならない訳ですから。

実際にオートキャド(AutoCAD)でペーパー空間を使い始めると、きっと私と同じように感じる方が多いんじゃないか。

そう勝手に思っています。

だからぜひとも覚えていただきたい……ということで、今回は主に作図をするモデル空間を取り上げます。

ややこしい話は主にペーパー空間にありますから、モデル空間についてはそれほど違和感なく理解できると思います。

とはいえ、全ての基本となる作図スペースですから、今回の話でその特徴をきちんと掴んでおきましょう。

二種類の空間がある理由

オートキャド(AutoCAD)を使って図面を書く際には、対象をそのままの大きさで作図する。

そして印刷をする際にキリの良い数値で縮小をして、決められた用紙のサイズに入るように調整する。

前回はオートキャド(AutoCAD)の作図基本ルールとして、そんな内容の話をしました。

200m×100mの建物をA1の図面に納める為には、縮尺を1/300にしなければならない。

そんな例を挙げて考えてみましたが、図面の縮尺についての考え方は何となく掴めてきたでしょうか。

今の私が持っている文章力では、これ以上の説明をすることが出来ないのがもどかしいです。

が、とりあえずはこれで伝わっていると思って次に進みます。

今回はようやく説明をしようとしている「モデル空間」と「ペーパー空間」という言葉が出てきます。

前置きが長いと思われそうですが、最後は今まで説明してきた縮尺の話に繋がってくるはず。

ということで、今回はオートキャド(AutoCAD)の技術的な話をしてみたいと思います。

縮尺の基本的な考え方

前回は図面の基本的な約束事である「縮尺」を、キリの良い数値にする理由について書いてみました。

印刷した図面から正確な数値を読みとる。

そうした目的がある為、図面はきちんとした縮尺で印刷をしておく必要があるということです。

様々な縮尺で書かれている図面の数値を読みとる為、三角スケールと呼ばれる道具を使う。

図面を扱う人なら何度もやることになるそんな動作も、キリの良い縮尺であることが大前提なんですね。

そうしたキリの良い縮尺で図面を書く為に、オートキャド(AutoCAD)ではどういう操作をするのか。

今回はそんな内容の話をします。

縮尺が決まっている理由

図面というのは作図対象を縮小して表現することが多いですが、その縮小倍率はある程度決まっています。

ある程度決まった縮尺にする理由については前回説明しましたが、一体どんな縮尺が多いのかというと……

1/100とか1/50とか1/30とか、大体キリがいい縮尺になっている場合が多いですね。

1/47とか1/108とか、そういう中途半端な縮尺になっていることはまずないはずです。

今回はその理由について簡単に説明をしてみたいと思います。

図面の縮尺を決める理由

オートキャド(AutoCAD)で作図する場合に限らず、どんな手法で作図をしても付いてくる「縮尺」の考え方。

前回はその概念を簡単に説明してみました。

作図対象が紙よりも大きい場合(大抵の場合がそうだと思いますが)、作図した図面を一定の倍率で縮小して表現をする。

これが縮尺の基本的な考え方です。

最初はちょっと難しくて戸惑うかも知れませんが、何度も図面を書いているとそのうちに慣れてくると思います。

説明をしておきながら「そのうち考えかたに慣れてきます」では、ちょっと無責任ですね……

そんな訳で、縮尺の考え方についてはもう少し話を続けることにして、今回は「なぜ一定の倍率で縮小をするのか」を考えてみます。

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