前回は、オートキャド(AutoCAD)を使う技術者として、最新バージョンを使う意味、みたいな話をしてみました。

ずっと変わらずにオートキャド(AutoCAD)を使い続ける、というのもひとつの考え方ではあります。
その方が手に馴染みますから、操作スピードという面から考えれば、かなり安定すると思います。

でも、それにこだわりすぎるのはリスクがある、ということも頭に入れておくことをお勧めします。

何も「変化をすればそれでOK」という訳ではありませんが、試行錯誤をしていくことにはきっと意味があるはず。

試してみることが毎回上手く行くはずはありませんが、全部が無駄になるということもまたありませんから。

■図面を書く道具
ただし、オートキャド(AutoCAD)というのは、あくまでも図面を書く為の道具に過ぎません。
図面を書いてナンボの世界で我々は生きているんです、と、ちょっと大げさな書き方をしてみました。

そういう意味で考えると、何も新しいバージョンとか機能が全てという訳では決してない、ということになります。

それは確かに事実だと思います。

しかしそれでも、少しでも効率の良い作図環境を考えていくと、自然に新しいバージョンが欲しくなるのではないか。

というのが、オートキャド(AutoCAD)の1ユーザーとしての正直な意見です。
それに目を向けないというのがどういうことなのか……

というのを、実際にオートキャド(AutoCAD)を使っている方であれば、一度考えてみることをお勧めします。

結局は良い効果がなかった、という場合もあるかも知れませんが、それを試すことすらしない、というのがどういう結果になるのか。

ちょっと鬱陶しい考えかも知れませんが、私はそういうことを考えてしまうんですよね。

■吸収出来るかどうか
もしいまだに古いバージョンのオートキャド(AutoCAD)で作業をして、特に不便を感じていない人がいたとします。

オートキャド(AutoCAD)2000iの機能で充分で、2012なんて全然必要ない、という考え方ですね。

もちろん考え方は人それぞれですから、その人の意見を私が否定して、意見を変えさせるようなことはしません。

そんなことをしても意味がないですし、面倒なだけで私にとって良いことなどひとつもありませんから。

でも……

そう言う人が身近にいたら、私はその人に対してこのような感想を持つことになると思います。
昔に覚えた機能を使うことだけで満足して、より便利な使い方を追い求めていない人なのかも、って。

もしくは……

今覚えている以上の情報とか知識とか技術とかを、もう吸収することが出来ないのかも、と。
もちろん断言することは出来ませんが、それに近い部分に正解があると私は考えてしまいます。

技術者として、新しい情報を仕入れて変化をしていかないというのは、非常に怖いことだと思います。

もちろん情報に踊らされるのは問題外ですけど、だからといって全ての情報をシャットアウトする必要はないはず。

情報は仕入れておいて、それを使うかどうかを自分で技術者の目で判断していく、というのがベターと言えるのかも知れませんね。