オートキャド(AutoCAD)の機能を実行する手段として、前回は「コマンドを直接入力する方法」を紹介しました。
このやり方は、キーボードを使った操作方法が色々とある中で、一番ベーシックな方法ではないかと思います。
基本的なやり方が効率的なやり方とイコールかどうか、というのはまた全然別の話ではありますけど…
それでも最初に説明したのは、こうしたベーシックなやり方を元にして、そこからもう少し発展させた形が後から出てくるから。
「発展させたやり方」があるということは、前回紹介したやり方は「発展前」ということになります。
ベーシックというのはそういう意味です。
今回はそんな「コマンドを直接入力する」操作方法の欠点について考えてみたいと思います。
それを考えることによって、キーボードを使ったやり方の発展系が見えてくると思うので、まずは何が不便なのかを考えてみましょう。
■全てを入力でようやく実行
コマンドを直接入力するやり方で困るのが、「LINE」なら4文字、「CIRCLE」なら6文字と、コマンドのスペルを全て入力する事。
いや、コマンドを全て入力しなければ目的の機能を実行することが出来ない、と言った方が適切かな。
これの何が不便か?
というのは説明するまでもないことなんですけど、一応書いておくと、コマンドを実行する為に手間が掛り過ぎるところが不便です。
オートキャド(AutoCAD)を使って図面を書く場合、様々なコマンドを何度も何度も繰り返す必要があります。
それなのに、そのコマンドを全部キーボードから入力するというのは、ちょっと時間と手間が多すぎてやってられません。
それならマウスを上に持って行って、用意されたアイコンを「ポチッ」って押した方が早いんじゃないかと。
また、手間の問題の他にも、相手がオートキャド(AutoCAD)だというあたりも問題ですね。
オートキャド(AutoCAD)というか、パソコンだから、と言った方が分かりやすいかも。
要するにコンピュータは融通が利かないから、ほんの少し間違えただけでコマンドの実行が出来ないんです。
これは当たり前の話ではありますが…
例えば、図面を書いている時、ある場所で円を書きたいと思い、円作図のコマンドである「CIRCLE」を実行するとします。
でも間違えて「CIRCLEE」と入力してしまった場合、人間なら「ああ、円コマンドを実行したいのね」ってなると思います。
でも相手は人間ではなく、あくまでも頭の硬いオートキャド(AutoCAD)なんです。
頭の回転が早くて、そして融通が利かないのがコンピュータの特徴ですから、それを今さら愚痴っても仕方がないんですけど…
少しでも入力を間違えると「そのようなコマンドはありません」という事になって、また改めて正しいスペル入力を求められる。
ただでさえ入力の手間が大きいコマンド入力方式なのに、1ヶ所間違えただけで全部入力のやり直し。
これが何度も何度も続いてくると、実際に仕事で図面を書いていくのはキツイということになります。
■長い長いコマンドもあって
また、入力間違いが許されないコマンド入力にも関わらず、やたらとスペルが長いコマンドも実在します。
GEOGRAPHICLOCATION[地理的位置]
とか、
DRAWINGRECOVERYHIDE[図面修復管理を閉じる]
とか。
そんなコマンドは使わない、という話もありますけど…
このやり方の欠点は、やっぱり「スペルが長くなる程手間がかかって時間がもったいない」というところにある。
なので、仕事で実用が難しいやり方だと言わざるを得ませんよね。