オートキャド(AutoCAD)のコマンドを実行する際に、長いコマンドのキー入力を省力化する。
その為に用意されている機能がコマンドエイリアスです。

前回までで、その設定を自分の好みにあったものに変える方法の説明をすることが出来ました。

が、本当はその前に、そもそもなぜその設定を自分好みに変えなければならないのか、ということを考えておくべきでした。

何かをする為のはっきりとした動機がないのに、そのやり方の詳しい説明書があっても邪魔なだけ。
それは誰にも喜ばれませんよね。

■デフォルトの設定はどうなのか
オートキャド(AutoCAD)がデフォルトで用意しているコマンドエイリアスは、そもそも仕事で使える設定なのか。

コマンドエイリアスの設定を変える前に、まずはそこから考えてみることにしましょう。

と言っても、それほど深く入り込んで考える訳じゃなくて、「これなら大丈夫」とか「全然ダメ」とか、そんなシンプルな話ですが。

長いことオートキャド(AutoCAD)ユーザーをやってる私の目から見ると、残念ながらデフォルトの設定は使えないということになります。

それはどうしてか?というと、コマンドの使用頻度とエイリアスの簡潔さが比例していないから。

オートキャド(AutoCAD)を使って図面を書く際には、以前も書いた気がしますが、非常にたくさんのコマンドを繰り返し使うことになります。

何度も使っていると分かってきますが、コマンドの中でも使用頻度によってランクが存在するんです。

「よく使うコマンド」「時々使うコマンド」「あまり使わないコマンド」「全く使わないコマンド」みたいなランクが。

オートキャド(AutoCAD)を使って図面を書くことを仕事にしている場合、大事なのは作業の効率ということになります。

だから「よく使うコマンド」を出来るだけ素早く実行出来る方が、作業効率的に有利であることは間違いのない事実です。

ここまでは良いでしょうか。

■一般的だからデフォルト
オートキャド(AutoCAD)が用意しているデフォルトの設定が、そんな使用頻度のランクに沿って作られているか。

先ほども書きましたが、答えはNOです。

使用頻度と実行のしやすさという部分から見ていくと、デフォルトの設定はあまりそれに適していない、ということになるんです。

だから初期設定を自分の使いやすい設定に変えていく必要性がある訳です。
でもそれは仕方のないことです。

その理由としては「ユーザー全員が満足するような設定など作れない」ということです。
まあそうですよね。

私がこのデフォルト設定は最高だと感じても、そうは思わない人はたくさんいるはずで、当然その逆パターンもあるはず。

なので、とりあえずは一般的な設定を入れておいて、あとは個々のユーザーが設定していくようにしてある。
ということではないかと、私は勝手にそんなことを思っています。

だから、デフォルトの設定が使いにくいことに文句を言うのではなく、デフォルトで使わないことを前提にして、自分の使いやすいように変えていく。

そんなやり方をすれば良いんじゃないかと思います。

このあたりの設定の自由度は、やはりオートキャド(AutoCAD)の大きな特徴のひとつと言えるでしょう。

自由度が高いというのは好みが分かれる部分かも知れませんが、操作に慣れれば慣れる程、そうした設定がありがたく感じるはずです。

ちょっと説明が長くなりすぎてしまいましたが…

次回はコマンドエイリアスの最後ということで、どんな設定にするのがお勧めか、というあたりの話をしてみます。