前回はオートキャド(AutoCAD)のデータを2ヶ所に保存することによるバックアップについて書きました。
仕事は何が起こるか分からないので、仮に何が想像を超えることが起こってもデータは何とか残す。
悪い方向に物事を考えすぎると言われそうですが、仕事ですから万が一の事態にもしっかりと備えておく必要があるんです。
たとえデータを保存している場所が片方壊れても、もう一方のデータから図面を開くことが出来る。
そういう仕組みを最初から作っておけば、一度作図した図面をもう一度作図し直すという情けない作業をしなくて済みます。
これがデータバックアップの基本的な考え方で、オートキャド(AutoCAD)のプロならばやっておくべきことだと思います。
■オートキャド(AutoCAD)側の機能
これまで紹介したデータの保護は、オートキャド(AutoCAD)作図者が自分のみを守る為にやっておくべきことです。
ホテルとか病院とかに行ってトイレの個室に入ると、トイレットペーパーが二連になっています。
これは、お客さんや患者さんがトイレットペーパーをひとつ使い切っても、もうひとつ残っている方を使えるから。
そして掃除の際に使い切った側の補充をする訳です。
オートキャド(AutoCAD)のデータもこれに近い考え方で、データがひとつなくなってももう一方は使える。
そういう考え方です。
もちろんそういう自衛手段は個々で持っておくべきで、だからこその自衛手段ということが言えます。
でも、オートキャド(AutoCAD)側でもデータの重要性は十分に理解していて、バックアップの為の機能を持っているんです。
自分でバックアップを取るのも重要かつ必須で、それは間違いのない事実ではあります。
それにオートキャド(AutoCAD)側の機能もあわせて使って、さらにデータがしっかりと守っていくことをお勧めします。
難しい設定などもないので、どういう概念でオートキャド(AutoCAD)がデータを保護するのか、ここで覚えてしまいましょう。
■バックアップファイル
オートキャド(AutoCAD)のデータは「dwg」という拡張子を持っている、という話は以前しました。
そのデータを開いて、その中に保存されている図面を編集する訳です。
でもずっと作業をしていると、その図面データと同じ場所に、同じ名前で「bak」という拡張子のファイルが作成されていることに気が付きます。
具体的に言えば、「1階平面図.dwg」という図面ファイルで作業をしていると、同じ場所に「1階平面図.bak」というファイルがある。
こんな具合に。
この「bak」という拡張子を持つデータをダブルクリックしても、「ファイルを開けません」みたいなメッセージが出るだけ。
何の為に発生しているデータなのかよく分からない、というか邪魔…と思われるかも知れません。
でも、これがオートキャド(AutoCAD)側の機能が用意しているバックアップファイルなんです。
まあ「bak」という拡張子から考えると、何となく想像は出来たかも知れませんけども。
どんなルールでバックアップファイルが作成されるのか、そしてそれをどのように活用するのか。
そのあたりは次回に詳しく説明をします。