データを保護することの重要性を分かっているオートキャド(AutoCAD)は、自分でしっかりとバックアップの機能を持っているんです。
「bak」という謎の拡張子を持ったファイルが、作図者の意図に関わらず自動的に作成される。
しかしその謎のファイルこそが、オートキャド(AutoCAD)側が用意しているバックアップファイルなんです。
…というような内容の話を前回しました。
今回はその続きと言うことで、そのバックアップファイルが作成されるルールについて詳しく書いてみたいと思います。
■bakファイルが作成されるタイミング
オートキャド(AutoCAD)を使って図面を作図している際に、いつの間にか作成されている「bak」ファイル。
今編集しているデータの「bak」ファイルが作成されるのは、一体どんなタイミングなんでしょうか。
実は割と簡単な答えなので、あまり引っ張るようなモノでもないですが…
作図中の図面ファイルを「QSAVE(上書き保存)」をすると、自動的に作成されるんです。
だから、「新規作成」から図面を作図しはじめて、そのまま保存をしなければ「bak」ファイルは作成されません。
もちろんそんな無謀な事はお勧めしませんけど。
■bakファイルの中身
そうしてオートキャド(AutoCAD)が自動的に作成するbakファイルですが、その中身はどうなっているんでしょうか。
bakファイルを直接開くことが出来ない為、どんな内容なのかを確認することが出来ませんが、とりあえず日付を見てみると…
これは先ほど適当に作成した「1階平面図」という図面ファイルなので、中身が何もないデータです。
だからファイル容量は非常に少ないですけど、見て欲しいのはbakファイルの日付というか時間。
bakファイルがdwgよりも少しだけ前の時間に保存されていることが分かると思います。
その少しの時間にどの程度の作図をしたかは分かりませんが、とにかく時間だけを見ると「ほんの少しだけ古いデータ」と言うことになりますね。
この時間差は何か…というと、これも簡単な話なんです。
上図のファイルで言えば、22時16分に上書き保存をした際に、bakファイルが作成あるいは上書きされる訳です。
これは先ほども説明した通りの話です。
その際にどんなbakファイルが作成されるかというと、その前に上書き保存されたファイルがbakファイルになるんです。
ちょっと分かりにくい表現かも知れないので、今回図で示した例の場合はどうなるかを考えてみると…
22時16分に上書き保存される前は、21時57分に上書き保存されたdwgファイルが存在していました。
それが、22時16分に上書き保存された際に、まずは21時57分のdwgファイルが22時16分のdwgファイルに書き換えられます。
そして、元々あった21時57分のdwgファイルは、拡張子をbakに変更したバックアップファイルとして同じ場所に保存されます。
何となくイメージは伝わるでしょうか。
その後、例えば23時00分に上書き保存をした場合には、以下のようなファイル構成になる訳です。
dwgファイル:23時00分
bakファイル:22時16分
そして、21時57分のbakファイルは上書きされてしまい、もう開くことが出来なくなります。
このように、必ず1回前に上書き保存されたファイルがbakファイルとして暫定的に保存されているんです。
もし間違ってdwgファイルを消してしまった、あるいは大きな間違いをしたまま保存してしまったら…
そんな時にはbakファイルが活用されることになる訳ですが、具体的な活用方法は次回に詳しく説明をします。