前回はオートキャド(AutoCAD)のバージョンによるデータ形式の違いについて書いてみました。
新しいバージョンで保存されたデータは、古いバージョンのオートキャド(AutoCAD)では開けません。

なので、例えば会社でひとつのプロジェクトを進めている際には、データ形式の標準を決めておく必要があります。

例えば「このプロジェクト全てはオートキャド(AutoCAD)2007バージョンにする」とか。

そうしたルールを決めるには、プロジェクトに関わる人がどのバージョンを使っているかを知っておく必要があります。

そして、その中で最も古いバージョンを使っている人のデータ形式に合わせる、というのが一般的なやり方かな。

そうしないと、その人がスムーズにデータを開くことが出来ません。
もちろんバージョンを落として保存をすることは可能ですが、それって確実に余計なひと手間ですよね。

そういう無駄を省く為にも、最初からどんなバージョンで図面を進めていくかを決めておく、というのが大事です。

■何がなんでも下位バージョンに合わせるか
オートキャド(AutoCAD)のデータ形式統一というのは、恐らくどんな会社でもやっている事だと思います。

そうしないと効率が悪いですから。
一番古いバージョンにあわせた標準ルールにする、という話でしたが、もちろんそれにも限度があります。

例えば、いまだにオートキャド(AutoCAD)2000を使っている人が一人いたとします。

なぜいまだに2000なのかというと、慣れ親しんだバージョンであり、新しいバージョンにすると慣れるまでに時間がかかるから。

そうした理由で2000を使っている人の為に、そのプロジェクトのバージョンを2000形式に統一するか…
ちょっと考えてしまいますね。

しかし、もし私がそのプロジェクトのリーダーだったら、その人の為に古すぎるバージョンの形式に統一することはしません。

やむを得ない理由があってそのバージョンを使っているのであれば、ある程度は仕方がないと思います。
でも、慣れているからとかそういう理由で新しいバージョンを使わないのは、本人の怠慢だと私は考えます。

仮にもオートキャド(AutoCAD)のプロであるのなら、やっぱり「慣れ」という状態を破って新しいことに挑戦しないと。

と、いうことで。

関わっている人全てが図面データを開くことが出来るように、最も古いバージョンに合わせる。
その考え方にも限度がある、と言う話でした。

■本人の努力も必要
こうした考え方は、あるいはちょっと乱暴と思われるかも知れません。

実際にそういう指摘をされたら、恐らく私はそれ以上の反論が出来ないんじゃないかとお思います。
なぜなら、私自身も少しそういう気持ちを持っているから。

先ほど書いた内容がちょっと乱暴な意見であることは、仕事でいろんな人を見てきた私にも良く理解出来ます。
しかしだからと言って…

そのまま2000を使っていてOKですよとか、そのデータ形式に社内を合わせますよとか、そんな事は言えません。

何度か書いていますが、やはりオートキャド(AutoCAD)のプロであれば、多少の努力は絶対に必要だと考えています。

オートキャド(AutoCAD)のバージョンに関しては、やはりその努力が求められる部分だと思います。